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健康経営と安全配慮義務

健康経営から少し離れるのでは?と思われる方もおられるかもわかりません。ですが、健康経営に取り組むことの本はリスクマネジメント、となれば健康経営と企業の安全配慮義務は密接な関係をもつこととなります。


労働者の健康管理上の問題は、私法的規制の対象になります。つまり、私法上企業に課せられた義務に違反して、労働者の疾病の発症、悪化に至った場合、当該労働者に対して損害賠償責任を負うものです。


 企業が、上記のような損害賠償責任を負う根拠とされているのが、不法行為責任(民法第709条)と契約上の責任とされています。1975年2月25日の最高裁判決によって「安全配慮義務」という概念が認定され、契約上の責任としての安全配慮を欠く違反という契約上の責任という形で損害賠償責任が追及されることが増加しました。その安全配慮義務が明文されたものが2008年3月施行の労働契約法第5条となります。


「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」


この安全配慮義務について、健康管理の側面に着目すると「業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意(配慮)する義務」(電通事件・最高裁2000年3月24日判決)となります。



健康経営では、労働者安全衛生法に規定されている企業としての義務をしっかりと果たすこと(健康診断、安全衛生教育 などの実施)から取り組みます。しかし、労働者安全衛生法上の義務を果たすことで、安全配慮義務の内容を満たしているかどうかといえば別のものです。また、労働者安全衛生法は、あくまでも企業と公法上の関係を規定するものであり、同法上の義務違反をしたからといって直ちに安全配慮義務違反になるわけではありません。



つまり、安全配慮義務については、労働者安全衛生法を遵守することは最低限の労働条件を守っているだけのものであり、安全配慮義務まで完全に満たしているわけではないということです。


ですので、それを上回る、CSRの取り組み、さらには健康経営への取り組むが必要となってくるのです。

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